那須温泉(栃木県那須塩原市・観光):概要 那須温泉の歴史は古く、舒明天皇年間(629〜641年)に狩野三郎行広が近くの村々で悪行を働いた大白鹿を追って山中に迷い込み、白髪の老人から"今、大鹿が温泉に入っているのでそこを狙い打ちなさい。"と告げられ念願成就したことが始まりと伝えられています。その後、白髪の老人は神の化身と悟り、この地に温泉を開くと那須温泉神社を建立、後に那須温泉神社は延喜式神名帳に記載されている下野国11社にも名を連ねました。この古事は遠く中央まで響き天平10年(738)には朝廷の役人が那須温泉に湯治に訪れたことが記録に残っています。那須温泉には平安時代、中国やインドで絶世の美女に化け悪行を重ね、日本の天皇まで取り込んだ九尾の狐がこの地に逃れ毒を吐きながら石化した"殺生石"の伝承が残っています。
江戸時代に入ると那須温泉は黒羽藩(藩庁:黒羽城)に属し湯本奉行をおいて管理、元禄2年には松尾芭蕉も奥の細道行脚際、この地を訪れ" 石の香や 夏草赤く 露あつし "(殺生石を見学の折)と" 湯をむすぶ 誓いも同じ 石清水 "(那須温泉神社参拝の折)の句を残しています。江戸時代後期に製作された諸国温泉功能鑑(温泉番付)では「野州那須の湯」として東之方関脇に格付け、諸国温泉功能鑑には横綱が無く東之方では大関である草津温泉(上州草津の湯)に次ぐ事から当時は著名な温泉場でした。那須温泉の温泉街にある共同浴場は元湯鹿の湯があります。
泉質: 酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
効能: 疲労回復・健康増進・皮膚病・神経病・婦人病・眼病・中風・水虫
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