旧大谷公会堂(宇都宮市)概要: 旧大谷公会堂は昭和天皇の即位を記念して昭和4年(1929)に建てられた建物です。当初は城山村公会堂として利用されその後は在郷軍人会館や村議会場、芝居小屋、演劇場、映画館など様々な用途を経て現在は宇都宮市管理の倉庫となっています。建物は、石造平屋建て、切妻、妻入、スレート葺、桁行10m、梁間22m、建築面積209uで正面性を強調する為、パラペットを屋根に沿って大きく立ち上げ4本の装飾柱(ピラスター:壁面から突き出た装飾柱。構造的には殆ど意味が無い。)を設えることで印象深くしています。装飾柱には細かな細工が施され、両側の面にはバットレス状の控え壁、屋根構造をキングポストトラスを採用するなど当時の建築の意匠や技術など見られます。旧大谷公会堂は昭和初期に建てられた近代建築の遺構で地元大谷石を利用した象徴的な建物として貴重で「造形の規範となっているもの」との理由から平成16年(2004)に国登録有形文化財に指定されています。大谷石は旧大谷町付近一帯で採掘される石材で軽石凝灰岩の一種、耐火性、軽量、石質が柔らかい為に加工が容易、などの特徴がある事から倉庫の外壁や石塀、門扉などの建材で利用され、大谷公会堂でもその特徴を生かされてます。設計は更田時蔵(鳥取県出身、栃木県で初めて建築設計事務所を開設した)。
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