神明宮(栃木市)概要: 神明宮の創建は応永10年(1403)神明宿(栃木城内:現在の神田町)に天照大神を勧請したのが始まりと伝えられています。領主である皆川氏に崇敬され天正17年(1589)に皆川広照が現在地に遷座すると領内の総鎮守として広く信仰されることになります。応永10年(1403)、天正17年(1589)、文禄2年(1593)と3枚の棟札が残っている事で創建年や遷座年など明確で歴史資料として貴重なものとして栃木市指定有形文化財に指定されています。
現在の神明宮拝殿は明治8年(1875)に中教院本堂(明治5年:1872年、神道、儒教、仏教による合同布教と国民教化を促進させる組織として教部省が発足し、その中心として大教院、地方普及の為、主に県庁所在地に中教院、その他主要都市に小教院が設置されました。栃木県では栃木に中教院、大田原、鹿沼、宇都宮、足利に小教院が設置されました。しかし、明治15年:1882年には廃止となった為、ほとんど遺構が残っておらず、極めて珍しい建物とされます。)として建てられた建物を移築したもので、木造平屋建て、入母屋、金属板葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、「盛哉」の扁額、寺院建築の面影が見られます。神明宮拝殿は明治時代初期の寺院建築の遺構として貴重な事から平成20年(2008)に栃木市指定文化財に指定されています。
神明宮本殿は明治16年(1883)に建てられた神明造り、銅板葺きの建物で竣工まで5年の歳月を費やしたそうです。又、栃木の地名は本殿棟に載る2組の千木(ちぎ)と8本の鰹木(かつおぎ)が10本の千木に見えた事から由来する説もあり興味深いところです。神明宮本殿は明治時代初期の寺院建築の遺構として貴重な事から平成12年(2000)に栃木市指定文化財に指定されています。祭神は天照皇大神。配神は素盞雄命、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神。旧県社。
神明宮の文化財
・ 棟札(3枚)−応永10年、天正17年、文禄2年−栃木市指定文化財
・ 本殿−明治16年(1883)−栃木市指定文化財
・ 拝殿(旧神道中教院講堂)−明治8年(1875)−栃木市指定文化財
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